Young Brothers

Container trailer in Honolulu

カウアイ、オアフ、モロカイ、ラナイ、マウイ、ハワイ各島の主要港を定期運行で結び、貨物輸送を担うインターアイランドの海運会社、Young Brothers。
姉妹会社であるHawaiian Tug & Barge社とともに海上輸送や港湾業務のサービスを提供するこの会社は、110年以上前の1900年に、ホノルルにやって来たハーバート、ウィリアム、ジャックのヤング三兄弟による、「バムボート」と呼ばれる物売り舟で停泊中の船の船員を相手に食品や雑貨を売るビジネスから始まった。
1913年に三兄弟は自分たちの商売をYoung Brothers, Limitedとして会社を立ち上げ、海上貨物輸送をはじめ、船舶の曳航、海難救助など業務を拡張していく。

このコンテナを使用しているのはYB社なのだけど、自社所有のコンテナではないことが一目でわかる。
サンフランシスコに本社を置くWaterfront Container Leasing社所有のものをリースしていて、換気なしのドライ・コンテナ。サイズは長さ40フィート、高さ8.6フィート、幅8フィート。
WCL社が所有している貨物コンテナであることも、きちんと証明されている。
コンテナの側面に付けられた英数字の並びからは、このようなたくさんの情報が読み取れるようになっているのだ。

午後のH-1を西に向けて疾走するコンテナトレーラー。
左斜め後ろの低い位置から見上げるようにとらえた武骨な姿は、実に凛々しく美しい。

YOUNG BROTHERS
http://www.htbyb.com/yb/index.php

遠い国からやってきた鉄の箱

遠い国からやってきた鉄の箱
ハワイという土地は、いわずと知れた周りを海に囲まれた島だ。ここで作ることのできないモノは海の向こうからはるばる運んでくるしか方法がない。

そこで登場するのがコンテナだ。形も大きさも状態も様々な貨物をコンテナという容器でまとめて運んでくるという仕組みは、僕らが想像する以上に実に画期的で奥深い世界なのだ。

MAERSK、P&O、APL、EVERGREEN、中国外伝、YOUNG BROTHERSなどといったいろんな国籍の海運業者の名前がアルファベットや漢字で書かれた大きな鉄の箱が、コンテナヤードに整然と積まれているのを見るたびに、いったいどこの国からやってきてどのような旅をしてきたのだろうかと、自分が知らない遥か遠い異国に思いを馳せてしまう。

ノースショアに向かうH-2の一番右端の車線を走っていたら、Matsonのコンテナを引っ張り猛然と走る大型トラックが追い抜いていった。Matsonといえば、かつてはサンフランシスコとハワイの間を行き来してアメリカ本土の富裕層の人たちを乗せて連れてくる豪華客船の会社として知られていた。今では既に客船航路からは撤退し、アメリカ本土とハワイやグアム、そして上海の間を行き来してモノを乗せて運ぶ貨物船の会社だ。あのコンテナに積まれているのは食糧品か、生活日用品か、はたまた機械かなにかの部品か。こうしてどこかの国の誰かの手によって作られたものが、この島のどこかにいる誰かの手に渡っていくのだ。

時代が変わって運ぶものが変わっても、Matsonはハワイの経済と人々の暮らしに深くかかわっている。