1番の目印もある。

Cutter Chevrolet, Honolulu
「カッター・シボレー。ハワイで1番のChevrolet特約店、1番の販売力、1番の品揃え、1番のサービス。そしてなにより、1番の便利な場所。私たちのショップはアラモアナBlvd.沿い、レストラン・ロウとアラモアナ・ショッピング・センターとの中間の位置にあります。」

新車、中古車を問わず数多くの自動車ディーラーのショップが軒を並べる、カカアコ周辺のアラモアナBlvd.の沿道。空港方面からやってきてワードAve.との交差点手前、緩やかな左カーブの右手に、こんなラジオCMでおなじみのCutter Chevroletの店舗が見えてくる。
前を走る片側3車線の広い道路、横長で低階層の店舗、屋外に並べられた車。これらとのスケールバランスと抜けるような青空によってその高さが一層強調される、歩道沿いに植えられた5本のパームツリー。このスラリと伸びたパームツリーたちがなぜか気になり、このお店の前を通るといつも見上げてしまう。
日本と同じようにハワイでも各自動車メーカーごとの新車販売店が存在するけれど、いくつかのメーカーあるいはブランドを一手に扱い販売代理店を展開する企業も数多く存在し、地元に根付いたローカル企業としてよく知られている。
Honda、Hyundai、Nissanなどを扱うTony Group AutoPLEXや、Toyota、Lexus、Scion、Subaru、Suzukiなどを扱うSelvco Pacific Inc、Volvo、Isuzuなどを扱うJackson Auto Groupといったいくつかの大手企業があり、1970年代に創業したCutter Carsもそんな自動車販売代理業者のひとつとして、シボレーをはじめとしてFord、Dodge、GMC、Buick、PontiacなどのドメスティックブランドからMazda、Mitsubishi、Isuzu、Hyundai、Volkswagenなどのインポートブランドまで幅広く取り扱っている。

ラジオのCMが言う「レストラン・ロウとアラモアナ・ショッピング・センターとの中間の位置」という案内は確かにわかりやすいけれど、僕ならもう一言「ひときわ背の高い5本のパームツリーが目印です」というフレーズを付け足したいところだ。

LION COFFEEはお好きですか?

LION COFFEEはお好きですか?
日がな一日仕事に没頭して、気がつけば午後3時。ちょっと休んでコーヒーを淹れることにした。
コーヒーサーバーに乗せたKalitaのドリッパーにMelittaの#2ペーパーフィルターをセットし、ここにライオンコーヒーのバニラ・マカダミア・フレーバーをメジャーカップで1杯、10グラムを落とす。
お湯が沸いたら、少しだけドリッパーに注いでコーヒーを1分ほど蒸らし、その後円を描くようにたっぷりと注いでできあがり。キッチンは甘いバニラの香りで満たされる。
このバニラの香りは好き嫌いが分かれるようだけれど、僕はもう何年もこれを楽しんでいる。
フレーバーコーヒーの代名詞ともいえる、精悍な雄のライオンの顔が描かれたLION COFFEEの赤いラベルのパッケージは、Hawaiian HostのマカダミアナッツチョコレートやMAUNA LOAのマカダミアナッツと並んで日本から訪れた多くの人が買って帰るハワイを代表する商品だけれど、その生まれは1864年のアメリカ本土に遡る。その後LION COFFEEの名前は一度消えてしまうのだけど、1979年にホノルルで復活する。
ライオンの顔があしらわれた、パッケージを密封させるための小さな金色のクリップを集めるのもまた楽しいものだ。
疲れた頭をバニラの香りで休めたら、もうひとふんばり頑張るとしよう。

JAWS | ジョーズ

JAWS | ジョーズ

僕が波乗りをしていて沖に向かってパドルアウトするときに、例えば腰~胸サイズの波が目の前に迫ってきたとする。崩れる波に巻かれまいと更に力強くパドリングして逃げきるか、板とともに体を深く潜らせて波の下をやりすごすか、どちらにしてもそれはもう必死だ。波の高さを数字にしたら、たかだか1~1.5メートル。フィート換算で約3~5フィートということになるけれど、それでも、そのときの気持ちの高揚感や恐怖感といったら、ちょっと他にはたとえようがない。

マウイ島の北海岸線の沖に、最低でも15~20フィートのうねりが来ないとブレイクしない”JAWS”と呼ばれる特別なサーフィンポイントがある。2004年1月10日、人間が立って乗ることのできる波の最大記録がここで塗り替えられ、ギネスブックが更新された。42歳のピート・カブリナが70フィートという途方もない大きさの波をメイクしたのだ。
この数字は、波を後ろから見たときの大きさを指すいわゆるハワイアン・スケールと呼ばれる測り方ではなく、正面から見たときのボトムからトップまでの高さだと思われるけれど、それでも21メートルあまりだ。その高さをあらわすのによく「〇〇階建てのビルに相当する」などと表現されるけれど、いまひとつ実感が湧かないのではないだろうか。
この新聞記事の写真で見ることのできる海の水の量や人と波の大きさの対比。1メートルそこそこの波と闘っている健気な男の話などいとも簡単に吹き飛んでしまう圧倒的なスケール。これがまさしく70フィートという大きさなのだ。

頼れる相棒

頼れる相棒

くたびれた機械らしい、愛くるしいバタバタ音をたてて、通りの向こうからやってきたのはフォルクスワーゲン・タイプ2だ。
タイミングよく空いた路上のパーキングスペースを見つけ、ひとやすみしている
フロントガラスが2枚に分割されているこの車は、1950年から1967年まで製造されていたT1と呼ばれる第1世代のものだ。
くすんだペパーミントグリーンのボディにはいたるところに錆が浮き、今の車のような美しいツヤも電気仕掛けの便利な機能もないけれど、長い年月のあいだに徹底的に使いこまれてきたものだけが持ち得る堂々とした風格を感じる。
「見てくれはボロボロだけど、今でもちゃんと僕を必要としている人がいるんだぜ」と自慢げに語りかけているようだ。
少なくとも40年以上は経過している立派なビンテージだけれど、商談に向かうご主人様を乗せてきょうも元気にカイルアの町を走っているのだ。

ソデ振る坂道

ソデ振る坂道
カパフルAve.からカイムキ方面に向かって閑静な住宅街を抜ける長い坂をマウンテンバイクで懸命に上っていたら、あと少しというところで急にペダルが軽くなり踏み込み感を失って転倒。チェーンがはずれてしまった。
やはり20ドルで手に入れたポンコツ自転車だ。肝心なときにかぎってこれなのだ。真上から太陽が照りつける中、ハブにガッチリ喰い込んだチェーンとの格闘が始まった。
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遠い国からやってきた鉄の箱

遠い国からやってきた鉄の箱
ハワイという土地は、いわずと知れた周りを海に囲まれた島だ。ここで作ることのできないモノは海の向こうからはるばる運んでくるしか方法がない。

そこで登場するのがコンテナだ。形も大きさも状態も様々な貨物をコンテナという容器でまとめて運んでくるという仕組みは、僕らが想像する以上に実に画期的で奥深い世界なのだ。

MAERSK、P&O、APL、EVERGREEN、中国外伝、YOUNG BROTHERSなどといったいろんな国籍の海運業者の名前がアルファベットや漢字で書かれた大きな鉄の箱が、コンテナヤードに整然と積まれているのを見るたびに、いったいどこの国からやってきてどのような旅をしてきたのだろうかと、自分が知らない遥か遠い異国に思いを馳せてしまう。

ノースショアに向かうH-2の一番右端の車線を走っていたら、Matsonのコンテナを引っ張り猛然と走る大型トラックが追い抜いていった。Matsonといえば、かつてはサンフランシスコとハワイの間を行き来してアメリカ本土の富裕層の人たちを乗せて連れてくる豪華客船の会社として知られていた。今では既に客船航路からは撤退し、アメリカ本土とハワイやグアム、そして上海の間を行き来してモノを乗せて運ぶ貨物船の会社だ。あのコンテナに積まれているのは食糧品か、生活日用品か、はたまた機械かなにかの部品か。こうしてどこかの国の誰かの手によって作られたものが、この島のどこかにいる誰かの手に渡っていくのだ。

時代が変わって運ぶものが変わっても、Matsonはハワイの経済と人々の暮らしに深くかかわっている。

Welcome aboard!

Welcome aboard!
みなさん、はじめまして。
ふとしたきっかけがご縁となって、このたび新たにラララライフの仲間に加わらせていただくことになりました、古谷ケンイチです。ひと呼んで、フルケン
ハワイという小さな島々にしっかりと足をつけて暮らしている人々の、あったかくてしなやかなココロの強さと美しさにまつわる小さな小さなエピソードを、つたない文章で書きつづったりしています。
そんなアロハなピープルがわけてくれたココロをもって、ゆるりフルケンがのぞいたレンズの向こうを、気ままにちびちびご紹介していきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。

町にあるパブリックサインボードにとても興味をひかれる性分で、気になるとつい写真におさめてしまうのです。
余計なものを一切省いた、シンプルにしてしっかりとメッセージを伝えきるデザインとカラー。
真っ青な空にマノアの朝日を浴びてまぶしく輝いています。