ラッキースマイル

Lucky Smiles on TheBus

Kam Hwy.で見かけた、僕の目の前を走るTheBusのルート番号の表示盤に、とびきりの笑顔が三つ並んでいることに気がついた。
その笑顔のひとつなどは、こちらに向けて軽く舌を出していて、三兄弟の顔はそれぞれに少しづつ異なっているように見える凝りようだ。
TheBusの車体後部の小さな表示盤は、その枠内に縦25列/横11行で並べられ片面ずつ黒と黄色に塗り分けられたドットがマスゲームのように自動的に反転し切り替わることによって、数字や文字に見えるパターンを動的に繰り返し描くことができる仕掛けになっている。
いくつかの反転パターンがあるけれど、なかでも、このバスは現在回送中なので誰も乗せて運ぶことができませんよ、という意味のお知らせを極限まで簡略にした”NOT”、”IN”、”SVC”の表示を繰り返すメッセージルーティンは、僕がもっとも気に入っているパターンだ。
アクセルを強く踏み込んで走り去っていくTheBusの後ろ姿に刻まれた黄色いドット群の、デジタル的な英文字が絶妙な間隔で切り替わる瞬間のあの残像を見るたびに、この島の何でもないささやかな日常をいつも感じる。
ルート番号や簡略メッセージの表示パターンだけだと思っていたけれど、実はこんなおちゃめなスマイルを描き出すプログラムも組み込まれていたのだ。
偶然に街で見かけるとその日をハッピーに過ごすことができるといわれている、ある特定の種類と色との組み合わせのクルマを誰が一番先に見つけるかという、実に前向きで幸せな遊びを、子どもの頃の僕は友達と一緒になってよくやったものだ。
そういえば、このTheBusを見たあとの僕の一日の残りは、いい予感がする刺激的な人々に出逢えたり、いい雰囲気のお店で、気の置けない仲間たちと美味しいものをいただけたりと、たいそうハッピーな時間だった。
もしかしたらこのスマイル3兄弟は、見た人にツキを呼び込む、、、のかもしれない。

ボガーツカフェでアサイボウルをどうぞ。

Bogarts Cafe & Espresso Bar
Acai Bowl Ono!
塩分の濃いバターと甘酸っぱいブルーベリーシロップをたっぷり染み込ませたパンケーキもいいし、スクランブルドにした新鮮な卵とポーチギーズソーセージを添えた2スクープライスの組み合わせもいい。うん、実にいい。
けれど、頭の中を眠りから完全に呼び戻してくれる機能を果たし、体内組織が隅々まで無理なくすんなりと受け入れてくれるBogart’s Cafeのアサイボウルもまた、僕にとって間違いなく、最高の部類に属する朝食メニューのひとつだ。
Bogart’s Cafeは、元々はアイスクリームとシェイブアイスを提供していた小さな店舗を、オーナーであるマリアさんが2000年に買い取り、朝食を提供する場所として改装しオープンしたお店。
以前の店舗のオーナーが、飼っていたラブラドル・レトリーバーに敬愛をこめて名付けた元々のお店の名前を、そのまま残し引き継いでいる。
使い捨てをしない真っ白な陶器のボウルの底に、ペーストにしてよく冷やした紫色のアサイベリーを厚く満たし、その上にほんのり甘いシロップで固めたシリアルを敷き詰め、さらにその上に、ブルーベリーの実やスライスしたバナナとストロベリーをふんだんに盛った一品を、これまた使い捨てをしない銀のスプーンでざっくり混ぜていただく。
モンサラットAve.をゆっくりと下ってくる22番ルートのTheBusや朝のジョガーを見送り、栄養をたっぷりと注入された僕の体と心が、元気にならないはずがない。
Bogart’s Cafe & Espresso Bar
3045 Monsarrat Ave., Suite 3, Honolulu, HI 96815
(808)-739-0999
 Mon – Fri  6am – 6:30pm
 Sat – Sun  6am – 6pm
参考:
HONOLULU MAGAZINE 2009年8月号