Amazon.comのKindleやAppleのiPadの出現で、読書にも「効率化」の波がおとずれそうな気配の昨今。ハンディな電子端末機器には、紙でできた本など問題にもならないほどの膨大な量の情報を収めることができる。しかし、装丁の美しさや手にしたときの質感、時を経た独特の色合いや香りといった、紙媒体の書籍だけが持つ味わいは、効率や情報量の話だけでは決して片付けることのできない、本というものが持つ重要な価値のひとつだと考える。
「ALL ABOUT HAWAII」とタイトルがつけられた、文庫本ほどのサイズのこの本。
題名が示すとおり、島の歴史や文化、気候、そこに暮らす人々や言語、産業、教育、政治など、ハワイという土地のあらゆる面を全352ページを使って解説した、1962年に第86版としてStar-Bulletin Printing社から発行されたものだ。エキゾチックな黒髪の美しい女性がイラストになった表紙や、1冊1ドル25セントという値段が、時代を感じさせてくれる。
当時のハワイの社会情勢を伝える統計的な細かい数字なども載っていて圧倒的に活字の割合が多いのだけれど、文章を補足するためにところどころに挿入されている図柄や古い写真はどれも興味深い。特に文字フォントや広告のデザインには、今の時代では出すことのできない古き良き時代の雰囲気が濃厚に漂っていて、手にとって眺めているだけで一瞬にして50年も前の過去にタイムスリップしたかのような楽しさが味わえる。これもたっぷりと染みこんだ時間が創り出す、紙の原物ならではの味わいのひとつなのだ。
そんな味わい深い広告デザインの数々を、これから折に触れてご紹介していきたいと思います。
私もiPadのニュースを見た時に「本が読めるの!?」と衝撃を受けました。その衝撃とは便利さに驚いたのではなく、それはもはや本を読むという事では無いのだろうか?という衝撃でした。アナログ人間な私にはその機能の意味が分からず友人に「本というのはこの手でめくって読むもので紙の質感や匂いやめくる動作や栞を挟む…それが醍醐味でまた五感を刺激するという意味合いでもそれは無くしてはいけない事だよ~」と愚痴をこぼしていました。友人の中には仕方ないよ、そういう時代だから…それにその方が便利な人もいるという意見の方もいて確かにそうだよね、と納得はしたものの大切な物を忘れたくない気持ちでいた私にフルケンさんのメッセージは頷くばかりで嬉しかったです!あの写真のハワイの文庫本は表紙を見ただけで素敵!と思えるものです☆中身も古きハワイの色々が記されてるなんて魅力的ですね!読んでみたいですが英語が難しそうですね…私も空港でハワイ語やハワイの花や木の本、レイメイキングの解説本など沢山購入しましたが、英語がネックで辞書引きながらの読解です…解釈が合ってるのかどうか微妙ですが、そういった丁寧な作業というのも感覚を劣らせない大切な事だと感じています。これから登場する素晴らしいデザインを楽しみにしています!
Puaさん、こんにちは!
僕もデジタル化の波にはなかなか追いつけない部分がありますが、電子書籍も紙の本も、それぞれにいい面はたくさんあるので、うまく自分の生活に取り入れて、ライフスタイルをさらに豊かにしたいものですね。