形が、変わってきた!?

ダイヤモンドヘッドの頂上
はるか太古の昔の噴火によって今のように形作られてから約30万年。いつの時代にもこの島の揺るぎないアイコンとして親しまれ続けている、ダイヤモンドヘッドと呼ばれるクレーター。
僕がここを最後に登ったのは、今からもう15年くらい前になる。現在はこのクレーターに登るには入場料として1ドル、さらに、麓まで車で行くなら駐車料金として5ドルを支払う必要があるようだけど、その当時はそのようなお金など払うことなく、自由に訪れて登ることができた。
このダイヤモンドヘッドは、ここ10年ほどのあいだで、見る人が見ればわかるほどに、浸食によって頂上付近の形がすこしずつ変わってきているのだそうだ。

地質学的にはTuff(凝灰岩<ぎょうかいがん>)と呼ばれる、火山灰が堆積してできたこの山では、浸食そのものは日々起きる自然の変化なのだけど、これだけ短期間で急速に進んでいるのは普通の状態ではない。原因は、登山者の増加と関係があるようだ。
頂上への登山道の途中にある、人の往来が集中する最後の階段の手前の部分では、1998年から2008年までのあいだの調査で2フィート、つまり約60センチも削られていることがわかった。
大勢の人に踏まれて少しずつ砕かれたTuffの粒子が、留まることなく風で飛ばされ、表面がどんどん削れてしまう、ということが繰り返されている。
これに対して、ハワイ州自然資源管理局(Department of Land and Natural Resources)は、今年から来年にかけて2つのプロジェクトを立ち上げて、頂上付近の登山道や歩行用トンネルの整備改善と、地表の浸食を抑え落石を防止する工事を行うようだ。
それでもなお浸食がおさまらないと、将来もしかしたらダイヤモンドヘッドも、ハナウマベイと同じように入場規制によって保護されるべき対象となるのかもしれない。
30万年もの間、かたちを変えることなく親しまれてきたダイヤモンドヘッド。この変わらぬ姿を次の世代にきちんと渡すのも、僕たちの世代の責任なのだ。

2 thoughts on “形が、変わってきた!?

  1. 大きく横たわっているこの景色を見ると、ハワイだ~!ってすぐに分かるけれど、
    その象徴が姿を変えているとなると、ちょっと大変!
    私も2度ほど登ったことがあるけれど、そんな背景があるとは知りませんでした。
    でも、びっくりするのは、ハイヒールで登っている人もいるのですよ。
    スニーカーだからいい。という訳ではないけれど、大切な自然を壊さないように
    気をつけなければいけませんね。

  2. yoko-chinさん、こんにちは~。
    ハワイのシンボルでありナイスなトレッキングコース。
    これからも大事に守っていきたいですよね。
    入場料を払うというのも、地道な維持管理を支える資金の一部と考えれば当然かもしれませんね。
    しかし、ハイヒール登山はすごいですね。。。

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