先日、寸前のところで惜しくも開催が見送られたThe Eddie。今シーズンのウェイティング期間も残り4週間となった。
ここ数日のハワイ諸島近海の気圧配置から、オアフ島ノースショア一帯にもう一度、巨大なスウェルが押し寄せそうな気配があるようだ。もしも大会が開催されたなら、どれだけの大きさの波と招待選手たちの華麗なパフォーマンスが見られるのか、そして、いったい誰が優勝するのか。想像しただけで自然と期待感が高まる。
ここ数日のハワイ諸島近海の気圧配置から、オアフ島ノースショア一帯にもう一度、巨大なスウェルが押し寄せそうな気配があるようだ。もしも大会が開催されたなら、どれだけの大きさの波と招待選手たちの華麗なパフォーマンスが見られるのか、そして、いったい誰が優勝するのか。想像しただけで自然と期待感が高まる。
尋常ではない大波がやって来た年にたった一日間だけ行われるという、世界でも稀な、まるで映画か小説の中の話のようなこの大会に、世界中の多くの人々の関心が向けられるけれど、しかし、僕は、その華々しい舞台を影で支えているたくさんの人々がいることを忘れることができない。
昨年12月の初めにワイメアビーチパークで行われたオープニングセレモニー。
僕はそのアロハスピリッツに満ちた空間で、決して表舞台には現れることのない、しかしなくてはならないたくさんの人々に出逢うことができた。
エディの功績を称える記念碑の周りを、祖先を祀る大切な祭壇のように沢山の色鮮やかな花々で飾りつける屈強な男たちや、記念碑の正面をアンセリウムやレッドジンジャーなどのひときわ美しい花々で厳かに飾り仕上げることを任された、物静かなひとりの初老の女性。
セレモニーの後に催される、ネイティブハワイアン伝統のルアウの会場となる大きなタープには、脚立に登ってひとつひとつ電球を取り付ける働きざかりの世代のお父さんがいて、そのタープの横のテントには、ルアウで振舞われる料理を忙しそうに準備する人々がいる。
誰でも分け隔てなく歓迎してくれるにぎやかなルアウは、アイカウ家の恒例行事。
経済的な苦労も多く決して裕福ではなかったアイカウ家だったけれど、人をもてなし楽しんでもらうことには労も財も惜しまず、そこにはいつもたくさんの食べ物があり、ビールがあり、仲間がいて、陽気な音楽があった。
今日のために集まった、アイカウファミリーの次の世代を担うキッズたち。
その世話を引き受ける若い世代。
セレモニーの中で紹介される選手たちひとりひとりの首にレイを掛ける役割を立派に果たす孫世代の女の子たち。
そして、セレモニーを取り仕切る重大な責任を任された長老の世代。
記念碑に飾られるたくさんのレイも実はアイカウ家の人々の手によってひとつひとつ作られている。その準備の様子は、アイカウファミリーと親交がありご自身もレイメイキングに携わったムナカタケンさんの記事からも垣間見られるように、僕らが言葉として理解しているつもりになっているよりもはるかに深い意味を持った本当のAloha Spiritsによって支えられている。
グローバル企業の名を冠し世界中の人々が注目するこの大会のオープニングセレモニーは、こうして異なる世代のたくさんの人々が関わってそれぞれの役割を果たすことで創り上げられていく。その根底にある、助けが必要な人のためには惜しみなく力を尽くすという利他の精神。それはエディアイカウというひとりの人間が遺した魂であり、その魂を育んだのはアイカウファミリーの絆でありハワイに暮らす人々の心に根ざすALOHAの精神だ。自分のことよりもまず人のことを考えたエディの心が、時代も性別も国境も肌の色も越えて受け継がれ、たとえば僕のちっぽけで吹けば飛んでしまうような頼りない心をも奮い立たせ勇気を与えてくれている。
人のために働くことの喜びと尊さをあらためて思い確信させてくれるThe Eddieは、他でもない、こうした影で支える無冠の人々を称える大会でもあるのだということを知り、だからこそ僕は、ますますその魅力と奥の深さに惹かれていくのだ。
参考資料:Stuart Holmes Coleman著 “EDDIE WOULD GO”
アイカウファミリーとの心温まる一日が綴られたムナカタケンさんの「ラララハワイ生活」はこちらからどうぞ。
[The Quiksilver In Memory of Eddie Aikau 2010/2011 Opening Ceremony]
※下の画像をクリックすると、セレモニー当日の様子がご覧になれます。(画像が表示されない場合はこちらからどうぞ)
※下の画像をクリックすると、セレモニー当日の様子がご覧になれます。(画像が表示されない場合はこちらからどうぞ)
こんにちは。この記事を読んで涙が出てきました。「助けが必要な人のためには惜しみなく力を尽くすという利他の精神」・・・まさしくそれはALOHAスピリットですね。The Eddie開催の影でそのようなサポートがあったとは知りませんでした。ムナカタケンさんの記事も読ませて頂きました。私もレイメイキングを日本で学んでいますがハワイでも編んでみたい!うまく編めるようになるのも目標ですがレイに宿る自然や花に対する敬意、贈る人への敬意、愛など。。。を感じながら編むということも大切にしなきゃって思っています。今年のハワイ滞在時にはレイのレッスンを受ける予定です。ハワイの花の写真から凄いパワーをもらいました。花屋さん巡りもリストに加えました。そして私が今活動している事もALOHAにもとづいた事だと痛感しました。先のフルケンさんの言葉が私の魂に触れたようでした。エディアイカウさんの事をあまり知らなかったのですが今回の記事でエディさんのお人柄を知れて良かったです。
The Eddie
開催されるといいですね!今日の記事は私に勇気を与えてくれました。そしてこういう目線でALOHAを伝えて下さるフルケンさんにも温かいALOHAを感じました。本当に感謝です☆
puaさん、こんにちは~。
地味で大変なことって、華やかさに覆い隠されがちですけど、
そういうことを引き受けて黙々とやっている人って一番すごい人だなぁって思います。
puaさんの活動からたくさんの人にALOHAが伝わりますように。
フルケンさん、こんばんは。
なかなか始まりませんねぇ。現地ハワイでは、『今年はないかも…』なんて話をちらほら耳にしています。もちろん開催されれば素晴らしいけれど、開催されなくても、それはそれでこの大会の意味を再確認できたりもしますよね。
いろんなことを教えてくれる、THE EDDIE。たくさんの方に伝えたいイベントですね。
ケンさん、まいどです。
今シーズンは、サイズがあがらないと言われているラニーニャの年ということのあって、開催はあまり期待されていないようですねぇ。
先日はそのジンクスが破られるかと思いましたが。。。
エディが遺してくれた大切なもの。
サーフィンコンテストとしての側面だけではなく、その奥にあるものがほんの少しでも伝えられればいいなぁと思ってます。