日本を代表する春の花、桜。
冬の寒さに耐え抜いた無数のつぼみが一斉に咲き誇り、数日間の短い盛りの時を過ぎると潔く一斉に散っていく実に見事な姿が、南から北に向かって全国津々浦々に人々の目と心を楽しませてくれる。
冬の寒さに耐え抜いた無数のつぼみが一斉に咲き誇り、数日間の短い盛りの時を過ぎると潔く一斉に散っていく実に見事な姿が、南から北に向かって全国津々浦々に人々の目と心を楽しませてくれる。
桜の花が咲くのを心待ちにし、その散っていく姿までをも愛でる日本的な伝統は、故郷を離れて遥か4,000マイル彼方の太平洋の小さな島々で世代を重ねて久しい人々にとっても、今でもけっして忘れることなく大切にし続けている心の伝統でもあるのだ。
その想いは、オアフ島で開催されて今年で59回目となるCherry Blossom Festivalとして今も受け継がれている。
1949年にロサンゼルスで開催されたNisei Week Japanese Festivalをヒントに準備が進められ、ハワイがアメリカの50番目の州になるより6年も前の1953年にその第1回目が開催された。
この年の催しでは、歌舞伎や公開ラジオショー、ファッションショーや活け花の展示、日本料理や日本舞踊の実演などが行われ、同時に、第1回目となるクイーンコンテストが行なわれ、参加した72名の女性の中からViolet Tokie Niimiさんが初代クイーンの栄冠に輝いた。
催しの締めくくりには、かつてモイリイリにあったホノルル・スタジアムにおいて、花火が盛大に打ち上げられたそうだ。
1955年には宝塚歌劇団を招いたり、1966年には日本語のローカルラジオ放送局 KZOO の協力によって初の「全ハワイ州シロウトのど自慢大会」が行なわれるなど、年々その内容は充実していった。
これらの長年にわたる多彩な催しの中で、もっとも重要な意味を持つ出来事は、クイーンコンテストのルール改定だった。
第1回から数えて46年もの間、その参加資格は日本人家系の女性だけに限られていた。
しかし、時代が移り、ハワイにおける日系アメリカ人社会が多様化しつつあったことなどにより、1999年に日本以外の民族性を持つ日系アメリカ人に対しても参加資格が与えられるようになった。
当時、このルール改定には様々な議論があったのだけれど、結果としてハワイが多民族から構成される地域社会として成功していることを広く示すものとなった。
そして、2000年に日本以外の祖先を持つ女性としては初となるクイーンとしてVail Matsumotoさんが選ばれ、また、その翌年には、日本のファミリーネームを持たない初の女性としてCatherine Tothさんがクイーンに選ばれている。
今年のタイトルを獲得した6人の女性は皆、日本的な美の中に他の民族の優位性も兼ね備えた顔立ちの、それぞれに知的で健康的な美人だ。
Aikoさん、Sachieさん、Yoshiさん、Naomiさん、Shizukoさん、Chikakoさんという彼女たちのミドルネームも、桜が持つ日本的な美のイメージと重なる。
“Okage Sama De”が今年のテーマとして掲げられたこの催しの目的は、今も昔も変わらず「日本文化の永続性」にあるという。
「おかげさまで」という、人様があってこその自分という謙虚な気持ちや、自分のアイデンティティに深く関わる祖先や先達者たちが大事にしてきたものを護り、次世代に引き継ぐことの重要性は、生まれ故郷を離れて異なる文化と触れ合うことでその大切さというものを再認識するものなのかもしれない。
日本を象徴する花、桜。
ハワイに咲く花々のような濃い色彩や強い香りや人目を惹くかたちといった、一輪ごとの強く際立った個性はないけれど、それぞれは小さく健気な花弁が一斉に咲くことで風景全体を淡い桃色の美しい色彩に染める。
それが桜の秘めている底知れぬチカラだ。
参考:
Cherry Blossom Festival
A Project of the Honolulu Japanese Junior Chamber of Commerce
桜。。。日本を代表する花ですね。奥ゆかしいけど全体を温かく包むような優しいピンク。満開になった後は風が吹くと散ってしまう儚さもあるけど一番綺麗な姿を精一杯披露してくれるその姿には毎年溜息をついてしまいます。
ハワイの花のようなエネルギッシュでパワーの強い花も私は大好きです。でも控えめな桜のような花も大好きです。日本のこころ。。。いつまでも持っていたいです。
puaさん、こんにちは~。
最近は大変なことがあまりに多すぎて、いつもの年のような桜の開花の話題があまり聞こえてこないですが、それでも桜は確実に咲き始めているんですよね。
やっぱり自然のチカラってすごいですね。