ワイアラエAve.のゆるい坂を登ったカイムキの町の中心に建ち、“Aloha ‘Oe”の作者として知られるハワイ王朝の最後の女王、リディア・リリウオカラニが1912年に自ら開校し、彼女自身の名を冠した伝統あるこの公立小学校は、何世代にも渡って多くの子供たちが学び、遊び、育まれてきた場所だ。
来年には創立100周年の節目を迎えようとしていたのだけれど、全児童数が97人にまで減少し、新入生の予定数も少ないことから、ハワイ州教育局の予算削減プランの一環として廃校となることが決まり、先日5月27日、99年間続いた長い歴史に幕を閉じた。
子供たちにとって、自我が芽生えてからはじめて家族以外の人との長い時間を過ごす小学校は、人と自分との関係や社会の基本的なルールを学習し、人格を形成する場所であり、卒業した大人たちにとってもまた、たくさんの思い出が詰まった、おそらく一生忘れることのできない自分の原点のひとつである場所。
この小学校を取り囲むカイムキの町に住む人々にとっても、99年という長い歳月に織り込まれた地域社会の重要な一部分だったに違いない。
受け継がれてきたハワイ王朝の歴史の名残りと、そこに集まる子供たちのにぎやかな声が、経済と効率性という時代の流れの前にまたひとつ消えていく。
創立者のリリウオカラニ女王は、きょうの出来事にAloha ‘Oeを唄い奏でているだろうか。
参考資料:
Honolulu Star-Advertiser
2011/05/27 “Tears fill final day at Liliuokalani Elementary”
99年…長い時間の中には沢山の歴史や想い出が沢山詰まってるんですよね。97名のお子さんが在籍されているのに廃校とは… 歴史はやはり現代の経済、効率化には勝てないのかなぁ…ちょっと寂しい気がしますね。
せめて100年まで…待てなかったのかな?そういう問題では無いのですが、急を要する事態という事に色々考えを馳せてしまいます。
Puaさん、こんにちわ~。
もし自分が卒業した学校がなくなってしまったら、僕だったらなんだか心にポッカリと穴が開きそうな気がします。
そこに行けばいつでも変わらずにあるという安心感は、お金には替えられないものですね。