

僕がよく利用している書店、Bordersから、全店舗を数ヶ月以内に閉店するという案内のメールが届いた。
今年の2月に米国連邦倒産法第11章いわゆるChapter11が適用されて以降、事業の譲渡先を探していたのだが、ついに買い手がつかないまま破産申告が承認され、ハワイ州にある残り6店舗を含め、全399店舗がもうすぐ閉店となる。
僕にとってのボーダーズは、大変に居心地のいい、気に入っていた場所のひとつだった。
Ward Centre店の中に入ったときに感じるゆったりとした空気、大量の紙によって余計な音が吸収されたほどよい静けさ、そして気持ちを高揚させてくれる紙とインクの匂い。
1階にあったハワイアナ・セクションの背の高い書棚に囲まれて時間を忘れて本探しに夢中になったり、2階のSeattle’s Bestから漂うコーヒーの香りを楽しんだり、少し値が張るけれども是非とも手に入れておかなくてはいけないと思える魅力的な本に出会ったときには、登録会員宛てとしてメールで送られてくるクーポンをうまく利用して2割から4割も安く手に入れたりしたものだ。
そういえば、冬のWindward Mall店では、CD販売のプロモーションに訪れた歌姫、ライアテア・ヘルムの美しい歌声に圧倒されたこともあった。
Bordersには、実にたくさんの思い出がある。
1971年にミシガン州でボーダーズ兄弟によって創業されて以来40年間続いたBordersが閉店に追い込まれたのは、世界的な経済の低迷に加えて、本をインターネット経由で購入する人が増えたことや、そもそも紙を必要としない電子書籍が普及しはじめたこと、そして、人々が毎日たくさんのことに忙殺されて、ゆっくりとソファに座って読書を楽しむ時間を持てなくなったライフスタイルの変化によって、膨大な出版物を店舗に集めて大量販売するというBig-Boxのビジネスモデルが時代に合わなくなってきたことがその原因のひとつとなったようだ。
かつて、映画「You’ve Got Mail」で、大型書店の進出によって伝統ある街角の小さな絵本の店が閉店に追い込まれるシーンが描かれていた。
そして今、紙が持つ手触りや香りや重量感とはまったく無縁の巨大なデジタル情報の塊の前に、大型書店もまた駆逐されようとしている。
参考資料:
Honolulu Star-Advertiser
2011/7/20 “Borders’ end adds to economic woes”
http://www.staradvertiser.com/business/20110720_borders_end_adds_to_economic_woes.html
私も大好きなボーダーズ。本当にショックです~。
5年くらい前まであったカハラ店も、Ward店も、本当に居心地がよくて通ってました。
この前、時々ハワイに来るならばメルマガ登録しますか?とメルマガをもらい始めたばかりなのに~:~(
なんだか寂しいですね。
yoko-chinさん、こんにちは~。
今ファイナルセール中で、全品40%引きだそうです。
ホントに、ホントに、ショックです。
これからはBurnes & Nobleに通うことになるのですね。。。
フルケンさん、こんにちは。
この間、ボーダーズに行って来ました。実際に使われていた家具(什器)や、カフェブースごと販売していました。デジタル時代の流れはあるけれど、印刷された本の文化は廃れない。今ある本屋さんが、上手く方向転換できる事を祈ってます。
ケンさん、どうもです。
いよいよほんとに閉店なんだねぇ。
後には何が入るんだろう。
アラモアナBP越しに海が見えるあのカフェブースは買いかもしれないね。
コーヒーを飲みながらパラパラと紙のページをめくるのって、やっぱりいいものだよね。