あの日、僕の古くからの友人が、あのタワーの悲劇の現場から生還した10年前のきょう、おそらく世界中の多くの人々がそうであったのと同じように、僕もまた、雲ひとつない真っ青な空にそびえ立つ巨大な二棟のビルがあっけなく完全に崩壊していく、信じがたい現実を映し出しているテレビの前に立ち尽くしていた。
世界の秩序が変わってしまったその日から4日後、かろうじて運航を再開した数少ない太平洋路線の人となった僕が、グラウンドゼロから最も遠い同じ国の小さな島で見たものは、何もかもがトーンダウンして華やかな色を失ったホノルルの街の姿だった。
あきらかに人影が少ない街中や通りは、どこに行っても半旗が掲げられ、テレビやラジオからは大統領が報復を宣言する声明が繰り返し流され、Honolulu Advertiser紙には愛国心を鼓舞するかのように一部ごとに新聞一面と同じ大きさの星条旗が折り込まれる尋常ではない状況だったのを今でもはっきりと覚えている。
この10年間で世の中は色々なことが変わっていってしまった。
時間の流れる速度は僕が子どもの頃を過ごした10年間とは比較にならないほどに加速し、その質においてもまったく別のものになってしまったような気がしてならない。
次の10年はどうだろうか。
そこにたどり着くまでの時間の流れは今よりも更に速くなっているかもしれない。
その頃、僕は、人生の円熟期を迎えようとする少し手前の、準備段階である頃だ。
体力は明らかに落ちて、日々悩みは尽きず、その深さは一層増しているかもしれない。
それでもなお、僕は僕らしく、時間を越えて本当に大切にしなければいけないのは一体なになのかを、自分なりにきちんと見極めながら、ゆっくりと前に進んでいたいと思う。
アメリカの同時テロから10年経ったのですね。私もあの映像を見た時に言葉にならない感情で埋めつくされていました。悲しくて切なくて…
フルケンさんのお友達はあのビルにいらっしゃったのですか?ご無事で本当に良かったです。私の友達もニューヨークに住んでいましたので直ぐに連絡したのを思い出しました。
10年後…私はどこにいて何をしてるんだろう? 全く想像もつきません。 ただ、言える事は自分の気持ちに正直に後悔の無い人生を歩んでいたい事。自分の出来る事に一生懸命になっていたい…ただそれだけです。
今こうして生きている事に感謝しながら前を向いて歩んでいきたいと思います。
そして再びハワイを訪れる事になった奇跡に感動しながら…☆
Puaさん、こんにちは~。
僕も10年後の自分など想像もつきませんが、
結局、一日一日の積み重ねが10年になるんですよね。
当たり前のことなんですけど、いつもうっかり忘れてしまっています。