遠い国からやってきた鉄の箱

遠い国からやってきた鉄の箱
ハワイという土地は、いわずと知れた周りを海に囲まれた島だ。ここで作ることのできないモノは海の向こうからはるばる運んでくるしか方法がない。

そこで登場するのがコンテナだ。形も大きさも状態も様々な貨物をコンテナという容器でまとめて運んでくるという仕組みは、僕らが想像する以上に実に画期的で奥深い世界なのだ。

MAERSK、P&O、APL、EVERGREEN、中国外伝、YOUNG BROTHERSなどといったいろんな国籍の海運業者の名前がアルファベットや漢字で書かれた大きな鉄の箱が、コンテナヤードに整然と積まれているのを見るたびに、いったいどこの国からやってきてどのような旅をしてきたのだろうかと、自分が知らない遥か遠い異国に思いを馳せてしまう。

ノースショアに向かうH-2の一番右端の車線を走っていたら、Matsonのコンテナを引っ張り猛然と走る大型トラックが追い抜いていった。Matsonといえば、かつてはサンフランシスコとハワイの間を行き来してアメリカ本土の富裕層の人たちを乗せて連れてくる豪華客船の会社として知られていた。今では既に客船航路からは撤退し、アメリカ本土とハワイやグアム、そして上海の間を行き来してモノを乗せて運ぶ貨物船の会社だ。あのコンテナに積まれているのは食糧品か、生活日用品か、はたまた機械かなにかの部品か。こうしてどこかの国の誰かの手によって作られたものが、この島のどこかにいる誰かの手に渡っていくのだ。

時代が変わって運ぶものが変わっても、Matsonはハワイの経済と人々の暮らしに深くかかわっている。

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